多言語サイトは、なぜ「言語切り替えだけ」ではダメなのか?
公開日:2022年2月2日
言語とのページを作ればOKと思いがちなサイトの多言語ですが、実はそれだけでは多言語化サイトの強みを生かしきれていません。今回は、言語切り替えだけでは多言語化がダメな理由を見ていきましょう。
同じ言語でも、地域が違う場合がある
一番わかりやすいのがこのパターンで、英語を思い浮かべると簡単です。
英語を主に使っている国は、
- アメリカ
- イギリス
- オーストラリア
- ニュージーランド
などがあります。「使える」という意味では、世界語でもある英語は、もっと多くの国や地域で使われています。
同じ言語でも地域が異なれば、コンテンツ内容も変わってきます。例えば、法令や商習慣です。
例えば、個人情報保護に関する法律でも、アメリカは「CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法 )」に遵守する必要がありますが、2021年まではイギリスはEUに加盟していたので「GDPR(一般データ保護規則)」に遵守する必要がありました。
他にも、通販サイトを展開するのであれば、決済方法にも差があります。先進国であればVISAやMasterなどのクレジットカード決済に対応していれば基本的に問題ないですが、例えば「日本にいるアメリカ人」が決済する際は、Paypalを使いたいかもしれません。
こうした法令の違い、商習慣の違いは、多言語化で一番難しいところです。
同じ地域でも、言語が違う場合がある
先程の逆のパターンです。
例えば、インドの例で見てみましょう。
インドの公用語は「ヒンディー語(ヒンズー語)」と「英語」ですが、会話が出来るレベルであればヒンディー語が話せるのは人口の30%、英語が話せるのは20%ほどと言われます。
インド応用経済研究所(NCAER)の研究者らが二〇一三年にまとめたインドの高等教育に関する報告などによると、英語を流暢に話せるのは四%ほど。 「一定レベル話せて意思疎通できる」とまで定義を広げると、その数は二〇%ほどとみられるという。
つまり、同じインドでも英語で問題ない人、ヒンディー語でないとダメな人、英語もヒンディー語も話せない人がいるのです。
インド向けに多言語展開する場合は、同じインド地域向けでもこれらの状況を加味する必要がありますし、インターネット人口のうち、どれくらいがどの言語を使っているかの調査も必要でしょう。
多言語サイトでは「多言語化はマーケティング」
ここまで見てきた通り、多言語サイトと言っても、地域ごとの特性に合わせる必要があります。つまり、多言語化はマーケティングとセットである必要があるということです。
サイトの多言語化は、言語ごとのページを作成するだけでも出来ますが、言語ごとだけでなく地域にも着目して多言語化をすることで、多言語化の強み最大限に生かすことが出来ます。